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「好きです悠馬先輩、私の彼氏になってください!でも…………采鹿先輩も好きです。采鹿先輩も私の彼氏になってくださいっ」
少女は放課後の挨拶が終わると同時に隣の教室に飛び込み、2人の少年をめがけスライディング土下座。
某日。とても突然すぎる少女の飛び込み告白に、まだ挨拶が途中で起立したまま完全にフリーズしてしまった生徒達と先生が1人。
ズザザザザァァッ!と土下座しながら思い切り2人の前に滑り込んだ彼女は、土下座したまま右手を……いや、左手も高く上げている。
額を床にこすりつけて、両手を高く上げたままキープなんて。肩が変な角度で曲がっているが、頑張っても手のプルプルは耐えられなかったか。
あまりの勢いに息も髪も乱れスカートが半分捲れてしまっているが、気にしない。それどころではない。あぁ、これでも彼女は女の子です。
「……わ、超ビックリ。君誰?赤いリボンってことは2年生か」
「優柔不断過のなれの果て?どちらか1人が選べなくて両方なんて、超ウケるんだけど。前代未聞ってやつ?どうしよっかなぁー、ねぇ……?」
告白された少年の1人は笑いながらスマホでカシャッと彼女の滑稽な姿を撮影。そして隣の少年に目配せをすると再びスマホに目を向ける。
2人は、ニヤリと笑った。
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