第一章 召喚

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 枢幾卿のおっさんの話を要約すると、適性検査するから付いて来やがれクソ共(意訳)、ってところだ。  勇者召喚云々の時点で薄々気付いてはいたが、本当にファンタジーな世界らしい。  エレベーターっぽい何かで塔を音もなく降りていき、案内された先で体力測定染みた事をさせられた。  こんなんで何が分かるのかと内心で首を傾げながら、何時ものように連と競い合った。  その結果に周りの面々は驚いていたが、俺達からするといまいちな結果だった。やっぱウォーミングアップ大事だな。  次に案内された中庭で木剣を渡された。  近衛隊の精鋭がどれぐらい戦えるかを見てくれるらしい。へー? ほー? へー?  ムカついたので殴り倒した。  連の奴は普通に木剣でタコ殴りにしてるあたり、容赦がない。 「なぁー? ここの連中弱くね?」 「んー。見たところ型も何もないし、チャンバラレベルなんじゃない?」  これには騎士団の団長って人が出てきて説明してくれた。  なんでも、この世界の住人は肉体派じゃないらしい。魔法という力があるせいか、そっちばかりを鍛えて剣術はからっきし、てのも珍しくはないとのこと。寧ろそれが普通ときた。 「なんでそうなったんだろう?」 「あれだ。遠距離でバンバン撃ち合うから近接戦とかオマケ扱いなんじゃね?」  訊くと、実際そうらしい。
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