序章

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が、捨て身で、三輪車の少女に向かった。 「無理だっ!」 周囲全員が思った。 だが、奇跡は起こった。 超肥満の姉が、瞬時に三輪車を抱きかかえ、母親の元へ押し返したのだ。 おかげで、三輪車の少女は、転倒しただけの軽傷で済んだ。 だが、超肥満の姉は、無残にも・・・。 「お姉ちゃん、どこ? ちっちゃい子は、大丈夫? ねぇ、お姉ちゃん・・・」 多数のパトカー、救急車が、次々に到着。 その中に、見慣れない黒塗りの乗用車が一台。 「駒元奈良未さんの妹さんですね。お名前は、安佐未さんですね」 「はい、どちらさまですか。お姉ちゃんは、無事ですか?」 2066年7月20日 火曜日。夏休みが始まってすぐの、夕方の惨事だった。
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