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杉山や住吉だけでなく、神谷部長に会った事の無い長谷川までもが泣いている。
これが、神谷部長のカリスマ性なのだろう。付き合いが一番長い私なんて、病院に来る途中の車内で、思い出し泣きをしてしまった。
恐らく、神谷部長が目覚める事はない。最後に、その雄姿を目に焼き付けておこう。
……
……
ツインテールだと!?
こいつは誰だ!?
神谷部長なのか? 神谷部長は、ツインテールだったか? 今年で七十歳の大台だぞ? そもそも、男がツインテールをするのか? 確か神谷部長のお孫さんがツインテールだった……まさか、真似をしたのか!? そんな雄姿を見せつけられて、私はどうすればいいのだ!?
……
……
「グホッ!」
よく見ると、エアコンの風にそよぐカツラと、頭の横から生えている地毛が重なり合って、ツインテールに見えただけだった。しかし、込み上げる笑いは止まらない。誰か助けてくれ!
部下を見ると、全員が笑いを堪えている。
くそっ……すでに感染している。
神谷夫人に席を外して貰いたいが、少しでも口を開けば、爆笑と言う名の爆弾を投下してしまいそうだ。
ここまでか? 誰もが諦めかけた瞬間、奇跡が起こった。
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