それは失敗から…

2/17
前へ
/17ページ
次へ
(ご注意:この物語には、異常な亡くなり方をするシーンが多々あります)   鹿児島県の山奥に、S製薬の研究所があった。  この研究所の地下では、極秘で、ある新薬の研究がつづけられていた。  そんなある朝……  研究所の所長でもある加山博士の部屋に、主任研究員の佐藤が飛び込んできて、 「所長、大変でーす!」  のんびりパソコンの画面を見ていた加山は、 「おいおい、そんなに血相を変えてどうしたんだね?」 「さっき第一新薬のサンプルを作成したんですが、念のためコンピューターのデータを確認したところ、レシピの順序が総て逆転していた事が分かりました。これです」  彼は一枚の書類を渡した。  加山は、それを見て愕然とし、パソコンを閉じると、 「しかし、どうしてこんな事が……」 「分かりませんが……産業スパイか、ハッカーの仕業ではないかと……」 「それで、そのサンプルはどうしたのかね?」 「まだ処分せず、冷蔵庫に入れてありますが……」
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加