それは失敗から…

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 加山は、ホッとしたように書類をデスクに置いて、 「よかった……。そんな訳の分からんものをやたらと処分して、とんでもない事になったら、大問題だからね……」 「で、どうしましょう?」 「決まってるだろう、とりあえず成分分析をして、有害と分かれば、例の方法で処分するんだよ」 「分かりました。では、さっそく……」 行こうとすると加山が、 「私も手伝うよ」  手にしていた書類をスレッダーにかけると、さっそく実験棟に向った。 「しかし……いったいどんな薬が出来たんだろう……?」 「見当もつきません……」  二人が実験棟に着くと、何人もの研究スタッフが、ガヤガヤと話し合っていた。  それを見た加山は、苦笑しながら、 「みんな、ご苦労。心配しなくてもいいよ」  研究スタッフ達は会釈すると、仕事に戻った。 「じゃ、さっそく、その中身を分析しよう。冷蔵庫から出したまえ」
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