かんせん

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 それから、本当にお医者さんは女の子のたんとうのお医者さんになってしまいました。 「なんでオレが」  ぶつくさぶつくさ言うお医者さん。  それを見た女の子は、ニヤリとわらって一本のマジックペンを取り出しました。  キュッキュッ。 「あー! オマエ、なにをするー!!」  なんと女の子は、お医者さんのかおにラクガキをしてしまいました。  女の子はわるびれる様子もなく、ゲラゲラと腹を抱えてわらいました。 「お医者さん、なさけなーい!」 「このやろう!」  かおをまっ赤にしたお医者さんはマジックペンを奪い取って女の子の顔にラクガキをしました。 「キャー!!」  けれど、女の子はとても嬉しそうでした。  結局、二人は患者(かんじゃ)さんやナースさんにわらわれながら、かおを洗いに行くことにしました。  ……油性だとも知らずに。
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