かんせん

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 それからも、女の子のいたずらがつづきました。  そのたびにお医者さんにしかられて、そして、お医者さんはナースのおばさんにしかられて、女の子はゲラゲラとわらいます。  女の子が歩いていると、ナースさんどうしでお話をしているのを見つけました。 「さいきん、のじまさんやわらかくなったわよね」 「うんうん。わたしもそう思ってた」  のじまさん、それはお医者さんのみょうじです。  お医者さんがほめられているのを見て、女の子は自分のことのようにうれしくなりました。 「あの女の子のおかげかしらね?」 「ええ。そうね……あんな可愛い子を失っちゃったらと思うと……つらいわね」  こんどは、自分のことをはなしているとわかりました。  けれど、女の子はまったく気にしていません。  だって、女の子は今をとっても楽しんでいるから。  後悔(こうかい)なんて、ないんです。  女の子は気にせず、病院の中を歩いていきました。
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