かんせん

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 病院の中を歩いていくと、リハビリをしながら泣いている男の子を見つけました。 「どうしたの?」  女の子がかけよっていくと、男の子は泣きながら言いました。 「足が痛くて、歩けないんだ……」 「そんなこと言わずに頑張って!」  若いナースのおねえさんが言います。  でも、男の子はいやだいやだと泣きじゃくります。 「わたしからも、がんばってよ! がんばったら良いものあげるから!!」 「良いもの?」 「うん!!」  女の子がにっこり笑うと、男の子はちいさくほほえみました。 「わかったよ。もう少しだけがんばるから、ゼッタイに持ってきてね」 「うん、やくそくする!」  女の子は男の子のリハビリを応援した後、急いで病室(びょうしつ)にもどりました。
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