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まさかウチの一人芝居覗きにきたわけやないやろ。
「せや。すっかり忘れとったわ。今朝な、ザ・マカダミアがワシのとこにきよったんや」
「ほんまに!?」
ザ・マカダミアってゆーたら、魔界一の美人双子占い師やん。
「嘘ゆーてどないすんねん。でな、彼女らがワシにおもむろに告げよってん。サクラ地上に咲きしとき、混沌の渦が巻き起こり、二人の少女降臨す。もったいぶった言いまわしでわかりにくいけど、これ、サクラのことちゃうか思てな。ほんできたんや」
「ふーん。けど、なんやけったいな話やな」
「でも、気にならんか? サクラが地上に降りたらなんか起きるかもしれんのやで」
「いや、ぜんぜん」
熱心に語るオトンに対し、ウチは冷めた口調やった。ザ・マカダミアは確かに美人やけど、占いは正直ダメダメ。オトンもそのことは知っとるはずやのに。
「あ、さては! まさかオトン、あの二人になんかエエことしてもろたんちゃうか?」
「んなもん、し、してもらってへんわ」
めっちゃ目泳いでるやん! 怪しすぎるで!
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