感染ゲーム

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「よーし! 全員動くなー!」  昼休みも半ばを過ぎた頃、その声は突然、教室中に響き渡った。  廊下に出ようと教室の入り口前にいた僕は反射的に振り返り、声の主を視界に入れた。  桧山亮(ひやまりょう)――そいつが声の主。桧山はこのクラスのカーストにおいて最上位の人間だ。  窓際の自分の席にいた桧山は、あるゲームの開始を宣言した。その途端、野郎ばかりのクラスメイトたちがざわめいた。しかしそのざわめきは、桧山の鋭い視線によって抑えつけられ、教室の中は一転、静寂に包まれた。  そしてゲームは始まった。
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