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目覚めたとはいえ、どう扱うのかわからなかった。蓮は試しに炎の拳で悪魔の腹を思いっきり殴ってみた。ジュウーーと悪魔の体に大きな火傷と穴を作った。「こんの糞ガキめ!フツギが目覚めたからって調子こいてんじゃねえぞ!」悪魔の鉤爪が黒く光り、蓮の頭上めがけて振り下ろした。
「『デーモン・クロウ』!」だが、刺さるどころかガキンッと理解不能な音が連の炎の兜から出るだけであった。気づけば鉤爪が焼かれなくなっている。蓮は自分のその能力に驚きを隠せない。『炎鎧』の能力は体に纏った炎で攻撃し、敵からの攻撃から身を守り、返り討ちにできるのだ。紅緒はただ呆然とその光景を見ていた。蓮の魔力は今の所、並のエクソシスト以上だ。無論腹に大穴と火傷を負われ、とっておきの必殺技も鋼程の硬度の炎で防がれ焼かれた。(早く殺さねば、オレは確実に死ぬ!)もはや殺人を楽しむ余裕がなくなり、まるで蛇に睨まれた蛙のように悪魔はなっていた。
「わわ悪かった!だが命だけは見逃してくれよ!もう人は殺さない!約そ・・・」「お前はあの世で反省しやがれえええ!!」
『飛翔炎拳』!!悪魔は巨大な炎の拳に殴られ、灰となった。それと同時に黒い塊が空へ上っていった。
翌日、蓮はマスコミや友人、近所の人々の質問の嵐に答えつつも、紅音ともに最低限の家具を片付けていた。
エクソシストとして新しい人生を歩むのだ。
京都にある日本エクソシスト本部の寄宿舎に引っ越すのだ。手続きは紅緒がやった。荷物を外に出すと、「そう言えば、どうやって京都まで行くの?」「ああ、それなら任せろ!」紅緒は可愛い兎のストラップをぶら下げた赤いスマートフォンで何か話すと、突然空が昼間なのに暗くなった。見上げると「ククク鯨!?」ヒコウシロクジラというクジラはその名のとうり空を飛ぶ白い鯨だ。「エクソシストのトップである総督の愛鯨のシロに乗って行くのだ!」「すんごいの飼ってるし、何このアバウトすぎる名前!!」シロに驚きながらも荷物をのせ、紅緒とともに乗った。この出来事が彼をエクソシストへと駆り立てる出来事だったのだ。
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