お姉様のために!!

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「嫌いじゃなーい、好きですますけど、うまく話せないゴニョゴニョ」 「えー!? もう、訓練するかー」  この一年で、私はちょっとは周りと打ち解けられるようになったと思っている。  まずそもそも、私は根っからの人見知りだ。  え? 女神と喋ってたじゃないかって?  女神だからだよ。  得体の知れない存在は別物だ。  そして私は、泣き虫だ。 「あーもー泣かない! 泣くところじゃないし」 「だって優しいからー」  最近になって、女神の言ってた対価とは何なのか、身をもって知った。  鯛じゃ無かった。  一年越しの発覚だった。 「兎にも角にも、日っちゃん、仕事できる完璧女子なんだから、もっと堂々としなよ」 「だって……私なんか……」 「またそうやって卑下するー」  大きな大きな溜息を吐かれたところで、始業を知らせるチャイムが鳴った。
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