1.邂逅
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1.邂逅
気が付けば暗闇にいた。己の存在すらあやふやになってしまうような深い黒の。 ただ鼓膜を震わせる音が、脳内に反響する。それはどうやら、自分を呼んでいるようだ。 おいで、と。その三音は酷く心地好い感覚をもたらす。 霞掛かった意識の中、心地好さの中へその声に憂いともとれる色が滲むのに内心で首を傾げつつも、闇へ溶け込むかのようにこの身を委ねてしまった。 ふわり、突如落下した時の浮遊感と共に意識は黒に落ちる。
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