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鬱陶しいことこの上ない。
「お前、日直日誌書き忘れあったぞ」
「あ、ごめん。わざとじゃないんだ」
「いや、怒ってるわけではないんだけど、お前いつもボーっとしてるから」
それは、私をけなしているのだろうか。
私は、数少ない愛想を表に出しながら会話を進める。
私は、早く帰りたくて仕方がないのだが、無駄に愛想を一度出してしまったがために、引っ込みがつかない。
「っと、悪いな。引き止めちまって」
少しして、中田は無駄に引き止めてしまったことに気づき、「気をつけて帰れよ」と言って、部室へ戻っていった。
本当になんなのだろうか。
理由もなく止められるのは、癪だ。
今度こそ帰ろうとしたときに、またも声をかけられる。
「あ、空ー!」
今度は千絵が来た。
千絵は「一緒に帰ろ」と言って、勝手に私の隣に来る。
この動作は、三年目になるので、もう気にしない。
下校中は千絵が私にずっと話しかけていて、それに私が答えるだけだった。
分かれ道で千絵と別れてから、私は暗くなっている道を歩く。
家に着くと、一人「ただいま」と呟いて、電気をつける。
現在。私は一人暮らしのような状態だ。
父は幼い頃にどこかへ消え、母は他界した。
今は親戚に預けられているのだが、仕事でいろんなところへ行っていて、私に仕送りをしてる程度で、帰ってこない。
私は、PCに向かいまた自殺サイトを見る。
人生に希望を見出せない者たちが、今日も死ぬ旨をここで伝えている。
他人に死ぬことを伝えてどうするのか、と聞きたいところだ。
ある程度見てから、お風呂に入る。
湯船に浸かりながら、天井を見上げた。
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