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コネコネ。キュッキュッ。
そおっとそおっと。
出来た!
「上手い上手い。じゃそれにこれつけて、と。すっごくいいわよ、ナオト」
エヘヘ。
だがしかし!
「クン、つけてくださいよ、美那さん」
「あらあ、カナちゃん以外は嫌なの?ナオト、クン」
美那さんは意外と意地悪だと思う。
解っててやるんだからな。
「というか、なんか叱られそうっす、コージさんに」
あははは、と笑う美那さんは清楚な見かけに似合わず男前。勝りじゃないぞ、男前。
只今俺は、飲み仲間のコージさんちにお邪魔して奥様の美那さんに手ほどきを受けている。
光沢のある美那さんのエプロンが、窓から差し込む日の光を反射して綺麗だ。
カナさんにも欲しいな。
似合いそう。丈は直さないと、だけど。
「誕生日、17日だっけ?」
「はい、後二週間」
今日は5月3日。
アロマショップ店長のカナさんはもちろん仕事だ。
菓子メーカー勤務の俺は今日スポット的に休み。
明日からはまた地獄の日々。
もう今日しかない。
「すみません、休みなのに俺のわがままに付き合って下さって。
今日予定あったんじゃ」
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