10人が本棚に入れています
本棚に追加
この、呪われた世界に何を望めばいいのだろうか。
運命に翻弄されつつも、立場があり続けるα。
平凡でも、幸せな人生を送れるβ。
運命に振り回され続けるΩ。
神様は、どうして俺をΩにしたのだろう。どうしてこんなにも、苦しい思いをし続けるのだろう。
『蒼___。運命には、逆らえないみたいだ』
透き通る光が差し込む朝。昨晩はいつものように二人で求めあい、愛し合った夜の翌朝。
彼は俺の手を握りながら俯き、泣いていた。
「運命の番」に出会い、恋をしたのだと。
「お前に申し訳ない」と。
αの家系にあった彼は、俺がアルバイトのメイドとして働いていた家の次男だった。αの坊っちゃんとΩのメイドはまるで、よくある恋愛ドラマのように惹かれあった。
屋敷内でバレないよう、隠れてセックスしたり、夜にメイド室を抜け出して彼との逢瀬を楽しんだ。
秘密なのに、楽しくて。いけないのに、愛しかった。
最初のコメントを投稿しよう!