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「んっ・・・ふぅっ、あっ!」
「声、出して。聞かせて?」
「あぅんっ、で、も・・・もうすぐ、メイドさんが・・・うぁっ、あっあっ」
「皆優秀だから、察してくれるよ。・・・声、出さないと無理矢理ださせるよ?」
「ふっ・・・・あぁぁぁんっ!・・あっ、やっやだぁ!そこは、やっ!あぁんっ」
「・・・愛してる___。」
「はぁっ、僕も愛しています」
俺は、その声で吐き気を催した。周りのメイドさんや執事さんに助けられ、その日は自室で休んだ。
でも、何日たっても吐き気は止まず、ひどくなる一方だった。メイド長の薦めで病院へ行くことになった。血液や脳の異常はないと先生は話し、もしかしたらと産科へ連れられた。そして___
「おめでとうございます。赤ちゃんいますよ」
そう言った先生はキラキラした笑顔だった。
屋敷に帰り、メイド長にすべてを話した。彼と恋人だったこと。彼との子を自身に宿したこと。メイド長は何も言わず、ただじっと聞いていた。そして、この屋敷から去ることを薦められた。自分のために、辛い思いをしないように。
そして、メイド長は俺の心配をしてくれた。去ることを薦たが、きちんと育てるのか。不安があったらいつでも聞きなさい。と電話番号を教えてくれた。
この子に責任はない。だから、世の中に出してあげよう。俺の子として。俺だけの子として。
そして、月(るな)が産まれた。
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