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病気と事故で両親を立て続けに亡くした圭太は、親戚をたらい回しにされ、半年ほど前に遠縁にあたる我が家へやってきた。
一緒に住み始めた頃は、いつも怯えて陰気な目をしていたが、最近では少しずつ笑顔を見せるようになってきている。
今も嬉しそうに、理恵と一緒に料理を運んでいる姿が見えた。
ガシャン!!
ちょうどその時、圭太が手を滑らせて、運んでいた皿を落としてしまった。
圭太は呆然とした顔で、突っ立っている。
「大丈夫? ほら、危ないから離れて」
理恵は話しかけているが、圭太はその場から動こうとせず、表情がどんどんと強張っていく。
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