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そんなある日の事。今日は俺の誕生日だ。
誕生日でもいつも同じ日常だろう。
いつも通りの時間に起きて、スーツに着替えて、表情を変えずにスマートフォンの画面を見ながら朝食が用意されている席に座った。
座ってすぐにふっくらとした白米が乗った茶碗が目の前に置かれる。
タイミングなど全て完璧で、感心する。
俺は朝食を食べる前に、スマートフォンに来ていたメッセージに返信を打っていた。
「和之(カズユキ)君。おはよう」
「え?あ…おはよう」
普段雪乃は俺がスマートフォンをいじっている時や、新聞を読んでいる時など何かしている時に話し掛けてくる事はなかったので少し戸惑ってしまった。
雪乃を見ると雪乃は可愛い笑顔で微笑んで、俺の向かいの席に座った。
こんな些細な事すら今までなかったので、不覚にも少しときめく…。
夫婦なのに“不覚にも”なんて言い方はおかしいか。
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