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俺はスマートフォンの画面を下に向けてテーブルに置くと手を合わせて、朝食を食べ始めた。
「いただきます…」
「ん。ねぇ…和之君」
「ん?」
「お誕生日おめでとう」
「ありがとう…」
覚えてくれてたのか。
今日は誕生日だからいつもと少し違うのか?
結婚生活が冷めてしまった原因は俺が飽きただけが原因ではないはずだ。
誕生日の時にだけではなく、普段からこのくらい俺に対して愛想を振りまいてくれれば俺だって…。
「…今日もお仕事遅くなるの?」
「あー。そうだな…えーっと…その…同期の奴が仕事の後祝ってくれるみたいで遅くなると思う」
いつも俺の帰る時間何か聞いたことなんかなかったのに。
違和感を感じつつも、内心よくある夫婦の会話を普通にしている事が嬉しくもある。
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