3・地球を選んだ結果

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「おはよう、優里」  校門を通ったところで肩を叩かれた。振り向くと、都がバツが悪そうに立っていた。 「この前は、本当にごめんね!トロのせいで黙っていられなくて・・・」  申し訳なさそうにそう言いながら、都は頭を掻いた。 「うん。都はあの時はトロだったから話しちゃっただけだもんね。別に私のことを悪くは言わなかったし、都のことは友達だと思っているよ」 「ありがとう、優里。もう暴露したりしないから」 「うん・・・。あのね、都。お母さんも貴ちゃんも、またトロになっちゃったみたいなの」  やっぱり、いつも相談していた都の存在は大きくて、優里は仲たがいにならなくて良かったと思っていた。 「お母さんって、トロに掛かって何かショックなこと言われたの?」  いつもの優里を心配する優しい都の瞳がそこにあった。 「あのね、誰にも言わないでね。うちのお母さん、浮気していたの」  すると都は急に早口で話し出した。 「実はね、今まで相談受けていたことを黙っていたことは無いの。私、本当に話を心の中に留めておくのが苦手で」  それを聞いた優里が青くなっていると、教室のドアを開けて「みんな、聞いて!優里のお母さんって浮気していたんだって!!と都が大きな声を出した。  振り向いたクラスメイト達が口々に早口で喋りだした。 「優里のお母さんって、すっげえ美人だもんな」 「ええっ?私の母親だったら流石に引くわ」 「けど、あんたのお母さんも若い男と浮気しているよ」 「そうだ、浮気って言えば3組の雄太が3股だったんだよな?」  クラスメイト達の大声の暴露大会に耳を塞ぎながら、優里はそのまま教室を飛び出した。 「やっぱり、テラは私には理想郷だったのかもしれない」  そう思った優里は土手まで走った。そして日が暮れるまで待っていたけれど、ナチと会うことはなかった。
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