第1章

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この広い世界で、たった一人の運命の人と出会い共に生きていくなんて奇跡だと思うんだ。心を通わせるなんて出来るはずがない。 どうして僕はここにいるのだろう。僕がこの世に存在する意味を教えて欲しい。 生まれて、そして、やがて死ぬ。いったい何の意味があるというのだろう。 死ぬまで生きる。何のつもりだ。 考えても答えは見つからなかった。 だから、こノ 途切れた文章。これはビルから飛び降りたサラリーマンの手帳に書かれていたものだ。 この人は、こんなに悲しい思いをする為に生まれて来たというのか、切なさを味わい、思いも届かず、更に裏切りに遭う。こんな人生に何の意味があるのかと思うのは当然だと思った。 ただ、気になるのは途切れた文章。 この手帳に書かれた文章は、どうして途中なのか、それが気になった。 「どうしますか?」 「取り敢えず、保留にしましょう。」 ここは星屑ステーション。死者を冥土に送る最終チェック地点だ。
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