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「なっ……何言ってんだよ小林?
何の冗談だよ――?」
小林の言っている意味が分からなかった……。
いや、違う……そうではない。
受け入れられなかったのだ。
失われていくという現実が……。
「村石、早く逃げ…ろ。
俺も……何処まで持つか分からないからな?」
小林は弱々しく笑った。
「何言ってんだよ、勝手に諦めてんじゃねぇよ!」
「お前……こそ、何言ってんだよ?
本当へ分かって…るんだろ、どうしようも無いんだって?」
「そ、そんな事あるか!
一緒に逃げよう小林?」
だが、小林は悲しげに微笑みながら、俺の言葉に対して首を横に振る。
「村石、頼むから逃げてくれよ。
そして、俺の分も…一生懸命、生きてくれ。
そうすれば俺とお前の心は――。」
だが、小林が最後の力を振り絞り何かを言おうとした瞬間――。
「ズドーン――!!」
そんな奇声を放ち小林のケツから、マグロの頭が飛び出す。
「グハッ――!?」
それと同時、小林は苦しげに息を吐き出した。
「こ、小林ぃぃ――!?」
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