ヘム達の黄昏

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「ば……バカ野郎、それ以上、近付くんじゃねぇよ? 俺はもう終わりだ。 でも、お前が一生懸命足掻いてくれている限り、俺の心だけは死なねえ。」 「分かった……。 それじゃあな小林…。」 「あぁ、少しの間だが、俺がアイツらを引き付ける……。 だから、お前はその間に上手く逃げてくれよ村石。」 それが、小林と最後に交わした言葉となった。 俺は振り返らずにひたすらに、走り続ける。 走りながら俺は、小林は幸せだったのかを考えた。 少なくとも、小林の妹は今の方が幸せかも知れない。 傷付き過ぎて、良い人生など無かったのだから。 だが……。 (畜生……何で、こんな事になっちまったんだよ…?) そんな事を考える度に、俺の両の目から涙が零れ落ちる。 しかし、そんな悲しみに暮れる時間は僅かしかなかった。 何故なら、俺の存在に気付いたヘム感染者達が俺に向けて、「僕のタコ踊り~。」、「ボッキンキーン!」、「ケツからドーン!」 などなど様々な奇声を上げながら襲いかかってきたからである。
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