ヘム達の黄昏

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(くそっ、悲しむ暇もねぇのかよ!!) 俺は金属バットを、ヤツらの頭にバットを叩き込んだ。 頭に命中すると一人、二人とヘム感染者は動かなくなる。 確かに動きはトリッキーだが、ある面では単調だ。 俺の振るうバットは、面白いように良く命中し続ける。 (絶対に逃げきってやる! 約束したんだ小林と――。) だが、全てが都合良くいく訳ではない事を俺は思い知らされた。 男女含め何人、殴り倒したか分からないが……次第に腕に力が入らなくなり……。 俺は、何度も金属バットを落としそうになる。 (もう少しだ…。 もう少しで、逃げきれる……。) 「うらぁぁ――!!」 金属バットに頭を、カチ割られ二人のヘム感染者が「やられた~。」とフザケタ断末魔を上げながら、動かなくなる。 (まだいたか、もう一丁!) しかし、俺は渾身の力を込めて金属バットを振り下ろすが、バットはヘム感染者の額を浅く掠めただけ……。
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