異質なる日常

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「おっ? ぷぷ……政木、ぷ、ついに、お前でヘムになったか? ぷぷ……。」 「ボッキッンキーン!」 俺の親友たる小林健太【こばやし・けんた】は元クラスメイトの政木が、下半身をカクカクしながら叫ぶのを見据えつつ笑いを堪えながら言った。 「おい、止めとけよ小林、気持ちは分かるが余り近付くとお前まで感染しちまうぞ?」 「あぁ、分かってる…分かってるって。」 正直、小林の気持ちは分からなくもない。 何せ、政木和正【まさき・かずまさ】は日本有数の悪徳政治家の息子にして、本人もまた外道という救い難い奴だからである。 コイツのせいで、自殺未遂者は多数。 小林の妹もまた、奴の性的な嫌がらせの餌食になりリストカットを繰り返した。 小林が政木を恨むのは当然。 しかし、こうなると政木も哀れとしか言いようがない。 そんな時、俺は不意に思った。 今でこそ、ヘム感染者と遭遇するのも、さして珍しく無くなってしまっているが一体、何時から日本は、こうなってしまったのだろうかと。
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