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母親はおかしいでしょう? と涙ながらに語った。確かによく見ると腕時計や靴にまで落書きがされている。太いマジックで描かれたせいか全てが美しい縞模様に見えた。
母親の話を一通り聞いた龍門はある提案をした。
「もしよろしければですが、お子さんをここへ連れて来る事は可能ですか?」
「でも――」
「いつでもいいですよ。この場所が駄目なら他の所でも構いません」
「はい。あの……やってみます」
龍門は睡眠導入剤と抗不安剤を処方しただけで抗鬱剤は出さなかった。
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