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「サヴァンとかそういうのですかね?」
誉が言うと龍門は顔を顰めた。
「俺、そういうの嫌いなんだよね。天才とかギフトとか言って、健常者と違う記号をああいう子たちに与えるの。天才だからといって本人が幸せになるわけじゃない。一番大切な事は、あの子が今後、自分の特性と折り合いをつけながらこの社会できちんと生きていける事、そしてあの子のお母さんがあの子を産んでよかったと思える事だ。精神科医は病名をつけるために診察してるんじゃない。患者を幸せにするために診察してるんだ」
龍門はまた笑った。
「これ凄いな。美少年の尻ばっかりを集めた彫刻の画集、これだけ背表紙を反対にしておいたらちゃんと反対にしてくれてる。嬉しいな」
「……そんな写真集、診察室に置かないで下さいよ」
誉の溜息が部屋に響いた。
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