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「ようこそ、ドラゴンゲートへ!」
龍門が笑顔で迎える。彼女は早速、嫌な顔をした。
「あたし、治療に来たわけじゃないから」
美咲はそう言うと机の上にドンと鞄を置いた。そして診察室の椅子へ男のようにどさりと腰を下ろした。この前と態度が違う。美咲は脚を組むと、さあ始めるぞといった様子で龍門を睨みつけた。
「今日は万引きを見逃してくれた礼を言いに来たの。ただ、それだけだから」
「わざわざ、お金払ってまで?」
「別に、なんでもいいでしょ。あんた、なんかちょっと変だったし、ホントに医者かどうか確かめたかっただけだから。……ふーん。そうやって白衣着てると医者に見えるけど、けど私、あんたたちの事、信用してないから」
「あんたたちとは誰だ」
「精神科医とかいうやつ」
「へぇ」
龍門は楽しそうに笑ってる。
「そうだ、バンビちゃん。美咲ちゃんに砂糖たっぷりのココアかミルクティー淹れてあげて」
龍門がそう言うと、美咲が急に立ち上がった。勢いで跳ねた椅子が後ろに倒れる。
美咲はそれを気にする様子もなく、龍門と誉に向かって怒鳴り始めた。どうしたのだろう。顔が真っ赤だ。
「私、いらないから。あんたが淹れたココアなんか絶対に飲まない! 飲めって言われても絶対に飲まないからね! お茶は持って来てるからいらない。余計な事をしないで!」
美咲は鞄からペットボトルを取り出すと、それを机の上にドンっと置いた。
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