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そう思っていたらいきなり女子集団が騒ぎ出した。
集団の前にはサングラスをかけた男性二人組がいた。
一番後ろにいる圭織と有実でさえ見えるくらいなのだからかなり身長が高いというわけだ。
「事務所から出てきたってことはアイドル?」
「じゃない?」
「ほー……?」
「この人たちの出待ちだったんだ、この人たち」
「だねー」
さっきと同じ表情をしながら二人の男性を見つめる。
そして、有実は何かに気づいた。
茶髪の男性の顔色が悪いことに。
圭織は気づいていないようだが周りから悲鳴が起こりようやく気がついた。
いきなりその男性がその場に崩れ落ちたのだ。
「圭織!あの人倒れた!」
「!……ちょっ、それやばいじゃん!」
「うん、このままじゃやばいよ……」
「うち、ちょっと病院に!」
「まって、ダメ」
「なんで!?」
「だって、彼らはアイドルだよ。まずは静かな場所に連れて行こう?」
「うん」
そして二人は意を決して集団の中に飛び込んだ。
無理やり人をかき分け彼らの前やってきた。
圭織は人を近づけさせないように体を張り有実はもう一人の男性に声をかけた。
「あの、大丈夫ですか?」
「え……?あ、うん!きみは?」
「えっと、星野有実って言います。いきなり倒れたんですよね?」
「うん、どうすればいいんだろう…。あのさ、ルイ助かるよね?」
「死ぬんじゃないんだから大丈夫だと思いますけど……」
「有実!こっちもう無理!いたっ!」
「!とにかく人気のないところに!」
「!うん、こっちだよ!」
圭織はもう彼女たちを抑えるのが限界に来ていた。
だから、有実たちは素早く静かで安全なとこに運んだ。
圭織もあとを追ってついてきた。
「まずは、誰か呼んできたほうが」
「アイドルならマネージャーさんがいいんじゃない?」
「そうだね、あの、マネージャーの方を呼んできてもらってもいいですか?」
「うん!呼んでくる!」
そう言って金髪の男性は走って事務所の中に戻っていった。
そして、残された有実と圭織はルイと呼ばれていた男性をベンチに横にした。
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