面接当日

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そして、後で使うはずのタオルに飲み水で濡らして額に乗せる。 すると額に冷たいものが乗ってることに気がついたのか、ルイが目を覚ました。 「あ、気がついた!」 「あの、大丈夫ですか?」 「あれ……、君たちは……」 「ん?」 「え?」 「あれ、俺のことわからないかな?コンビニで助けた……」 「ああああ!」 ルイは起きて弱々しく笑いながら圭織達を見つめる。 有実もああーっという顔で思い出す。 圭織は目を見開いて口をぽかんと開けている。 なんというか、間抜け面のような顔をしている。 彼はクスクスと笑いながら二人を見つめた。 「助けてくれたんだよね?ありがとう。今度は俺が助けられちゃったな」 「いや、そんな全然!ね、有実!」 「うん、大丈夫です。それより、体だるくないですか?」 「さっきよりは楽かな。それより、君たちはここに入っても大丈夫なの?」 「え?」 「だって、どう見てもここの練習生には見えないし……。まさか、面接受けに来た子かな?」 「あ、面接!今何時?!」 「あと、10分で受付締切るって……」 「有実、急ぐよ!」 「えっ、ちょっと待って!」 「あっ、ありがとう!面接受かるといいね」 「!ありがとうございますっ、圭織引っ張らないでって!」 ベンチに座ってるルイは大きな声を出して二人にお礼を言った。 有実は振り返りお礼をするが時間があまりないということで急いで受付場所に向かっていった。 そして、なんとか受付に間に合ったふたりは番号を受け取り席に着いた。 有実と圭織は離ればなれになってしまったが思いっきり楽しむことを心の中で誓った。 そして、面接が始まった。 面接はグループで行い、二人は別々のグループに組まれた。 そして、ダンスの面接に歌の面接が始まったのだ。 「ふー……、思いっきりやればいいんだ。今の自分も出し切って」 「怖いっ、でも、大丈夫……。うちにはルニオッパがついてるから」
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