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練習生としての合格発表が終わり、順調に書類へのサインも終わって数日が経った。
親には頑張るのよと言われて再び韓国に戻ってきた。
練習生としてやってくためには事務所が用意した宿舎に泊まらなきゃいけない。
圭織と有実は一緒の宿舎に泊まることになった。
そして、圭織が先に準備を終えた。
「よしっ!準備終りっと!」
「こっちも終わったよ」
「じゃあ、何しよっか。明日は練習開始じゃん?ダンスとか歌とかもっと上手くならないとねー」
「んー、休養してればいいんじゃない?少しでも明日のために体力温存しないとダメでしょ」
「そうだね、少しでもダンスの練習しようかと思ったけどやめとくー」
「ほら、やっぱり、しようとしてたじゃん」
「ごめんじゃん」
「まあ、暇なのは確かなんだけどね」
「パソコンで先輩たちのこと調べてみる?」
「え?」
「この前のことがあったじゃん?えっと、ルイさんだっけ?ともうひとりの金髪の人。あの人達のこと調べてみようよ」
「まあ、いいけど」
部屋の荷物を片付けた二人はのんびりとソファに座っていたが暇だったのかパソコンでいろいろ検索してみることにした。
事務所のこと、先輩のことをもっと知らないといけないから。
そして、検索にヒットしてきたのは。
画面を見て圭織が大きな声を上げた。
「あ、この人達だ!えっと、ルイさんとカイさんだって!」
「グループ名はThroughか」
「んと、歳はどちらも26歳なんだって」
「ファンの層は……、やっぱり女性が圧倒的に多いね」
「なんかさ、少しルニーオッパに似てなかった?」
「え?」
「あ、や、雰囲気がさ。ルニーオッパに似てたような気がして」
「そうかな、なんか怖かったけど」
「え?」
「なんか笑顔が怖かったよ」
有実は彼の笑みから何かを感じ取っていた。
それはただ優しく声をかけただけじゃない。
なにか、見下してるようにも見えた。
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