13人が本棚に入れています
本棚に追加
圭織はそういうとこが疎く前向きな性格なためいつもポジティブに生きているが、有実はいつも慎重に考えすぎてることが有り精神的にダウンしてしまうとこがある。
だけど、予感は必ず当たることがあるため圭織は真剣にその言葉を聞きながら有実に問いかけた。
「てことは、あの人が言ったことは嘘かもってこと?」
「そうじゃないけど……」
「けど?」
「なにか、意味ありげな感じで言ってたからさ、なんか食えない人だよね」
「そうかなー……?」
「圭織は疎いから」
「んー、でも、前向きに考えればいいと思うよ?試練かもしれないけど、チャンスだと思えばいいじゃん」
目をつむりながら背伸びをしてから有実の方を見た。
有実はどこか考えすぎなとこがあるのだ。
その心配そうな有実を見てにこやかに笑いながら話を続けた。
「うん、確かに怖いしいつデビューするかわからない。日本人だからデビューできない可能性もある」
「うん……」
「でも、うちは前向きに捉えるよ。絶対にうまくいく。有実は努力型だし絶対にうまくいく」
「どこからそんな自信が」
「だって、デビューできないならさ最初から練習生として合格させなきゃいいことじゃん」
「まあ、そうだね」
「そうじゃないってことは、少しでも希望の光があるから。うちらを照らしてくれてるって思うよ」
「……うん」
「だから、そんな不安がらずに頑張ろう!今は、ただがむしゃらに頑張るしかないんだよ」
「そうだね、まだ始まってもいないしね」
「うん、そうそう。大丈夫、絶対にあきらめなければうまくいくから」
ぐっと握りこぶしを作りながら笑う圭織を見て少しだけ勇気が出た有実もそっと笑い返した。
そう、まだ始まっていない。
彼女たちが目指すは初恋の相手ルニーとラウスに会うため。
そのためにはアイドルという門を開かないといけない。
だから、ここで諦めることは許されないのだ。
圭織はそっと自分の長い髪を触りながら答える。
「てか、髪の毛長いのウザったいね」
「んー、切る?」
「いや、まだ切らない!切るべき時に切る!」
「どういう時なの、それは」
「いつだろう?わかんないや」
「わかんないんじゃん」
二人は笑いながら次の日を迎えることになった。
そこで新たな仲間と出会うことになる。
その仲間が新しい世界に連れて行ってくれるのだ。
最初のコメントを投稿しよう!