のらねこ商店

3/9
前へ
/9ページ
次へ
お巡りさんは時々ボクを商店街に連れてゆく。ばあちゃんという人のお店にお菜を買いに行くためだ。 ひとりもんの男というのは寂しそうに見えて切なくもなるが、ボクとしてはこの時間は貴重だ。 その商店街の端っこにある商店にはボクの友達がいるのだ。これがたいそう立派なやつ。 さらに言えば麗しいのだ。 そいつの名前は「のらねこ」つまり名前がない。 自由気ままに暮らしてはいるが、この商店街になくてはならない存在、である。
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加