【壱】

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遠い昔、人は妖という存在に恐れ怯えていた。 人ならざる異形の姿とその特異な能力にただただ震え上がる事しか出来なかった 妖を恐れるその心に呼応するかの様に世には様々な妖怪が生まれる そして人は受け入れ難い出来事をすべて妖のせいにした。 その脆弱な心には支えが必要だったのだ 驚異の存在に打ち勝てる様にと、人はすがるように神という存在を生み出し信仰し始める やがて神の力は妖と対峙し凌駕するようになる その光の強さに人は安寧を求めた その闇の陰湿さに人と神は妖を否定し続けた 妖達は生まれては否定され消され続ける 生まれたその理由すら知れないまま……
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