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「ほんっと。オマエも好きモノだね。こんなにズッポリ咥えこんで」
広いバスルームに蔑むような、それでいて楽し気な艶のある声が響く。
エアーマットを敷き、その上で犬のように四つん這いになる男は、尻を高く持ち上げ、女性とは異なる筋肉質な双丘の谷間をこちらに向けている。
かれこれ一カ月以上、その谷間の奥にある洞窟をゆっくりと時間をかけてほぐしてきた甲斐があり、漸く悲願が達成した。
最初は、細い指先から。
そして、徐々に指を一本から二本。
二本から三本へと増やしていく度に、男の口から漏れるのは、吐息混じりの喘ぎ声。
しっかりと閉じられていた秘密の扉を丁寧に優しく、それでいて、時に強くこじ開けていけば、男の顔には苦悶の表情が浮かび、何かを堪えるように両手の爪を立てながらも、息を荒くし、苦しみの中に快感を見出しつつあった。
洞穴までの道筋が開けてこれば、今度は指から拳へと太さを変える。
粘り気のある冷たく透明な液体の入ったボトルを手に取り、手術用のゴム手袋をつけた自分の手に垂れ流す。
ヌメり気のある光沢が卑猥さを強調するようで、心臓の鼓動がやけに大きく響けば、血液が体中を一気に駆け巡るかのように全身が熱くなる。
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