side b

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直属の上司。 ただそれだけの関係。 彼にしてみれば幾人かいる部下の一人でしかない。 その私が行っても良いのだろうかと、今朝からずっと自問自答していた。 彼がインフルエンザで休みと電話を受けた時から。 その向こうに聞こえる声からですら、苦しさが伝わってくる。 今すぐにでも彼の元へと行って看病をしてあげたい。 恋人は居ないと忘年会で言っていた。 あれからまだそれ程日も経っていない。 彼に思いを寄せている人は……多分、それ程モテるタイプでもないから私だけなのではないかと思う。 背だってそれ程高くもないし、おでこは広くなりかけているし、怒ると怖いし……ってあれ?私の好みから掛け離れてるんですけど。 でも、たまに見せる笑顔とかにきゅぅんってしちゃうんだからしょうがないじゃない。 怒ると怖いけど、怒らなきゃ可愛いのよ。 猫舌だからコーヒー冷ましてから飲んでるとことか、たまに見せる笑った時に出現する目尻の皺とか、お弁当自分で豪華なの作ってくる所とか。 みんなが気付かないとこ、気付いちゃったんだもん。 終業後、彼の家へと向かう。 彼がいつも利用しているであろう駅前のスーパーに立ち寄り、栄養ドリンクとかお粥、スポーツドリンクとお茶、あと住所教えてくれた先輩に勧められた桃の缶詰とみかんの缶詰も買ってみる。
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