プロローグ

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草原(そうげん)の真ん中に建つ搭。 その搭は蜘蛛が生まれたとされている場所。 別名『蜘蛛の搭』 新月の夜、蜘蛛は一斉にその搭に帰るとされている。蜘蛛の痕を着いていったものは誰も帰っては来なかった。 いやただ一人だけ帰って来たものがいる。 友人三人と遊びに出掛けて連絡がつかなくなった少年が、行方不明から五日後見つかったのだ。警察が見付けた時には目が血走っており、酷く混乱していたそうだ。 少年に三人の所在を聞くと、 「蜘蛛に()われた。俺も()われる。」と、話していたらしい。 混乱が酷いため、精神病棟(せいしんびょうとう)に入院となったが三日後、入院先の病院で行方不明となった。 少年が寝ていたベッドから、大量の血液と蜘蛛の死骸(しがい)が見つかったらしい。 DNA鑑定をした所、少年のDNAと一致した。 その少年は行方不明になる前日、 「蜘蛛が身体の中を(うごめ)いている。」「蜘蛛に食べられる。」等と話していたらしい。 結局その後、少年達は見つからず、捜索(そうさ)難航(なんこう)している。
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