第1章 日常

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「最近行方不明になっている人多いよね」 「うん、今月だけで10人は行方不明(ゆくえふめい)になってるよね。そう言えば、隣の高校で行方不明(ゆくえふめい)になった子がいるらしいよ。」 と、最近ニュースで話題(わだい)になっている事件の話をしているクラスメイトを横目で見ながら、(れん)は溜め息を吐いていた。 朝から学校でこの話は聞きたくなかったのが(れん)の本心だ。 ここ一ヶ月、探偵事務所にも行方不明者の情報を買いに警察がよく訪れている。 行方不明者の数が多いにも関わらず、証拠(しょうこ)目撃者(もくげきしゃ)を調べても出てこない。 監視(かんし)カメラを調べても何も写っていない。 ()()()てには数日後には新しい被害者が増えるときたものだ。 (れん)は都市伝説の可能性も考え、家にある文献(ぶんけん)を調べるが、ここまで行方不明者が出る都市伝説は書かれていなかった。 しかし探偵事務所にもそろそろ(しび)れを切らした被害者の血縁者(けつえんしゃ)から捜索依頼(そうさくいらい)が来るだろう。 「今回はどうするかなー。」 そう小さく呟き、(れん)は腕に顔を埋めて静かに寝息(ねいき)をたて始めた。
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