34人が本棚に入れています
本棚に追加
「最近行方不明になっている人多いよね」
「うん、今月だけで10人は行方不明になってるよね。そう言えば、隣の高校で行方不明になった子がいるらしいよ。」
と、最近ニュースで話題になっている事件の話をしているクラスメイトを横目で見ながら、煉は溜め息を吐いていた。
朝から学校でこの話は聞きたくなかったのが煉の本心だ。
ここ一ヶ月、探偵事務所にも行方不明者の情報を買いに警察がよく訪れている。
行方不明者の数が多いにも関わらず、証拠や目撃者を調べても出てこない。
監視カメラを調べても何も写っていない。
挙げ句の果てには数日後には新しい被害者が増えるときたものだ。
煉は都市伝説の可能性も考え、家にある文献を調べるが、ここまで行方不明者が出る都市伝説は書かれていなかった。
しかし探偵事務所にもそろそろ痺れを切らした被害者の血縁者から捜索依頼が来るだろう。
「今回はどうするかなー。」
そう小さく呟き、煉は腕に顔を埋めて静かに寝息をたて始めた。
最初のコメントを投稿しよう!