カノジョの距離

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     ***** 土曜日。天気は雨。 梅雨という時期だからこれは仕方がない。 雨に余り縁のない俺でもこの時期に限ってはそれを待ち望んでいる。 ピンポーン 外からの来客の知らせにモニターを覗くと思い通りの姿を見てロックを解除した。 すぐに部屋に到着するであろう客にエスプレッソを淹れるためキッチンに向かった。 エスプレッソマシンのスイッチを入れると同時にスマホがメッセージを受信する。 それにスタンプ一つ送るとそのままポケットにしまう。 「さて、行くか」 玄関のドアを開けた瞬間、驚いた顔をした客人をそのままリビングに通しエスプレッソを置く。そしてしばしの留守を頼み家を出た。 地下鉄の入り口で待つ二人に近づいた。 「とりあえず家で打ち合わせでいい?」 「うん、レイトくんがよければ一度作ってみようかなって思ってて。ね?リリちゃん?」
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