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無事に写真を撮り終えると大人たち(うちと琉成の両親)はこれからお茶を飲みに行き、なお且つ夜には他と合流し、飲むらしい。
ほんと、とりあえず飲めれば何でもいいんだな。
俺はワインぐらいしか味がわからないけど、この人たちは酒という酒すべてにおいて見境ないらしい。
それより、なんなんだ。ソーヤとか言う奴。
さっきから一言も発してない。
日本語は不自由なはずはない。うちの学園の編入試験に合格するぐらいなんだからもちろん優秀で、家柄も問題なく面接も合格してるぐらいだからソツなくやったはずだ。
そのまま悠哉を見ると少し苦笑い。
とりあえず大目にみろってことかも知れない。その横にいるリリは微動だにしない。その様子にさっきから違和感が拭えない。
理由はあとで悠哉に問い詰めるとして。
「ソーヤさんって。どこの国居たんです?」
一応、敬語って言うか丁寧語ぐらいの軽い感じで琉成がそいつに切り込んだ。
「……イタリア」
一応日本語も通じるし、受け答えもするつもりもあるらしい。
「お?そうなんだ?俺達もイタリアに住んでた事あって――」
「そろそろ帰ります」
悠哉の父親並に会話をぶった切ったソーヤ。やはり血は争えない。
悠哉とは違う冷血な感じにさすがの神代朔也もたじたじの様子。
「あぁそうだね、気をつけてね」
やはりソイツにキラキラの笑顔を向けて答えていた。
ほんとご苦労様だな、オヤジ。
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