梅雨入りと

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「ねぇ、リリ」 「……うん」 「俺はまだまだ頼りないかもしれないけど。幼なじみじゃなくてリリにとって頼れる男になるから」 「……」 「だから」 「レイ」 付き合って、そう言おうとした瞬間リリに遮られた。 優しく俺の名を呼ぶその声に続きの言葉を止めた。 「違うの。レイは頼りなくなんてない。だけど私が、」 「リリが?」 「……私が自信がないだけ」 見かけとは違い地味な性格のリリはなぜか自分に自信がないといつも言う。 だけど、子供の頃はそんなことなかった気がするから。俺がリリの笑顔を取り戻したい。 「俺だって自信なんてないよ?けどさ、それってだんだん身につくもんじゃね?」 「え?そう、なの?」 「うん。けどさ、リリの前ではかっこつけたいじゃん?」 俺だって悠哉に琉成に周りの幼なじみたちより劣ってるんじゃないかって思うけど。それって今の実力なんだし仕方がない。けど、俺だってそのままって訳じゃない。 「レイはいつも自信たっぷりに見える」 「ハハ、それはそんな風に見えるようにしてるからね、でもさ。いつまでも見せかけだけじゃなくてちゃんと成長するからさ。一番近くで見ててよ、リリ」 リリが隣にいてくれたら絶対出来る。
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