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鎌倉に一緒にいった琉成は、あの寺のアジサイはいつが見ごろかと聞いていた。
確かあの時の説明では「一雨毎に成長するので一気に見ごろを迎える」と。
「今度の休みに一緒に行くよ、リリと」
「なら、よかった」
こんな状況でも気にしてくれてたのか。
考えてみれば琉成の行動は、いつも俺のことを考えてくれてた。
琉成なりのシグナルは今まで何度かあったのかもしれない。
「きちんとしてくる」
それが俺なりの答え。
「うん、それがいい」
そう言った琉成には少し胸が痛むけど。だからといって考え直すことなどはあり得ない。
「なぁ、鎌倉で食べた男子飯みたいなの夕飯にいいかもなー」
あの時カフェで食べたランチはかなりうまかった。
ワンプレートでなおかつガッツリ食べられて大満足だったのを思い出した。
「あぁ、あれねー。確か写メ撮ったからサクラちゃんに相談してみるか。ユーヤ経由で」
「ほんとおまえら面倒くさい」そう付け加えてまたメッセージを打ち出した。
そんな風に言いながらもそこはキッチリ守ってる琉成。
オールマイティ過ぎるからこそ、いつかホッとできる存在を見つけて欲しい。
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