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「えっと、ソーヤくん家ってご飯とかどうしてるの?」
ちょっと戸惑い気味に聞く咲良ちゃん。
父親と二人暮らしでその親が料理作んないんならどうなんだって気になるよな。
「……松濤の家で食べたり、あとは自分」
松濤って祖父母の家だったよな。父親は夜一緒に食べることないって言ってたしな。
「どおりで手つきが良いと思った!」
「……俺は自己流」
「それなら、一緒かなー。私は料理を食べて何が入ってるのか、どんな風に作ってるのか考えるのが楽しくて」
蒼哉と会話し続けてる咲良ちゃんすごいだろ。
てか、案外気が合ったりするのか?
あ、それ言ったら悠哉に怒られそうだから言わないけど。
楽しそうに話し続ける声が聞こえてくるけど、あいかわらずリリの声は聞こえてこない。
リリ、また能面みたいな顔してんのかな。
ラテ出来上がるまでは我慢。
とりあえず三人の様子を気にしつつも会話には入らない。
「わ、たし。手伝ってくる」
そう言ってキッチンに逃げてこようとするリリに「もう出来るから座ってて」と釘を刺す俺。本当ならヨシヨシしてあげたいところだけど、ぐっと我慢。
リリ、逃げてても何もかわらないんだって。
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