カノジョの距離

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「雨。やまないねー」 「今日、一日雨らしい」 咲良ちゃんと蒼哉の微妙な会話が続く。 えと。これ、並べて歩かせてもいいもんだろうか。 まぁいいか。今、悠哉いないからな。 「リリ。今日、ユーヤは?」 「へ?え、あ。今日は出かけるって」 「そうなんだ」 今日ここに来ることを悠哉に伝えたから出かけるって知ってるんだよな? てか、本当に出かけたのか?悠哉は。 「リリ、明日だけど」 「明日って?」 「そう、明日雨止むらしいから鎌倉行こうか」 「明日?」 勢いで言ってるわけじゃない。 ましてや天気が良くなるからなんていう理由でもない。 けどリリにはこのぐらいがちょうど良いはずだ。 「今日送っていくからそのときにおばさんに俺から話すよ」 そんな話をしているうちにスーパーについた。 もちろんリリも咲良ちゃんも目が輝きだして。 「ソーヤはどうする?」 「ん。」 「なんか見たいのあるなら案内するけど」 「……スパイス」 「んじゃサクラちゃんたちに声かけてくるよ」 30分後に待ち合わせをして二人と別れた。 そして、 「ソーヤ。リリと何があった?」 ずいぶんと不躾な質問だとはわかってる。それが蒼哉だとしても。
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