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「嫌われることした自覚がある」
「どういうこと?」
「……たぶん、傷つけた」
蒼哉はそう言った後、すっと視線をそらせた。
リリを傷つけたことは正直許せたものじゃないけど、悪いと思っているからこそ、この態度なんだろうし。でも、傷ついてるのはリリだけなのか?
「なぁ、リリと話してみたら?」
「リリは、嫌がる」
そんなこと言ってたらいつまで経っても二人の関係はこのままだろうし。しばらく日本にいるんならやっぱり。
「まぁ、最初はそうかもだけど」
「……考えておく」
「うん、そうしてみてよ。」
ちょうどきりの良いところでスパイスの棚についた。
「ちょっと珍しいのもあるからゆっくり見て」
「わかった」
そこで蒼哉と別れてドリンクスタンドに向かう。
特に何か飲みたかったわけではなく、そこにあるスペースが目当て。
スマホを取り出すと悠哉にメッセージを送った。
すぐに返事は来ないかと思いきや悠哉からの即レス。どうやら悠哉は広尾の図書館にいるらしい。
【終わったらサクラ迎えに行くから】
結局それかよ。
まぁ、仕方がない。悠哉だしな。
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