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時間より早めに戻ると蒼哉はすでにそこに居た。本当にスパイスだけしか興味なかったらしい。まぁ男はそんなもんだよな。
「二人は当然まだだよね?」
「ここ来たときは居なかった」
だよね。
どうせ。ここもあそこも、あーこんなものまでと。いつまでも先に進まない二人が見えるようだし。なんて考えてたら時間きっかりにカートを押して現れた咲良ちゃん。手持ちだって忘れてないか?てぐらい山盛り。
「かご一杯じゃん」
「や、私のだけじゃないよ、リリちゃんも入ってるし」
焦って言い訳する咲良ちゃんには悠哉が迎えに来ることは伝えてない。もちろんリリにも。
それなのに、この量っていったい。それぞれ持ち帰るつもりとか。
「……まぁいいけど。見たら軽そうだしね」
「そうなの!そうでしょ?だからね?いいかなって」
いいけど、嵩張るよ。咲良ちゃん。
いや、どうせ持つの悠哉だしね?余裕っしょ。
結局今日の材料と個々に買い物をしたら結構な量だった。
材料は俺が持つとして、と考えてるうちに「それ、貸して」とすばやく咲良ちゃんに声をかけた蒼哉。そういうのもスマートに出来るらしい。
行きと同じように咲良ちゃんと蒼哉は微妙な会話を続けながら、それを見守るようにリリと一緒に後ろについて俺の家まで戻った。
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