カノジョの距離

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男子はワンプレートに盛り盛りで。 女子は小鉢や野菜使って少ない量を綺麗に盛り付けられている。基本的には同じものなのにこんなにも違って見えるのは色彩のマジックなんだろう。 感動した咲良ちゃんが興奮しながら両方の写メを撮り終えるとやっと、四人そろって手を合わせて食べ始めた。 咲良ちゃんアレンジが入ってるだけはあって上品な味付けだけど、男子には少し物足りないかもしれない。少し漬け込んだ方がいいかもと思っていると蒼哉が 「美味いけど――」 「あ、味薄かった?ごめんね。私の味付けおばあちゃんぽいってよく言われるの」 咲良ちゃんの返しに驚いて言葉を止めた蒼哉だけど「リューセーには上品過ぎるかと思っただけ」と大真面目でそんな風に言うからみんなで顔を見合わせて笑ってしまった。 「確かにリューセーにはもったいないな、ちょい漬け込んで男子には別ソースつくればいいかもな」 「あっ、そうだね!さすがレイトくん」 「本番のソースはソーヤ考えてね-」 「わかった」 ほんと。蒼哉は実はかなり真面目で。一緒にお菓子作らなかったら気付けなかった。 だからこそ、蒼哉なりにリリとの関係を修復できると思っている。 もちろんリリの方にも問題はあるわけだけど。そこは俺の出番らしいから頑張るしかない。 リリの笑顔を取り戻すためなら。
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