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悠哉はリビングのソファに座ると「近くの図書館に行ってたんだよ」と二人に説明した。
いや、図書館ついでだからな、ただの時間つぶしだからな。と心の中で思いつつ悠哉のエスプレッソを用意した。
「言ってくれれば良かったのに……」
「いや、いくつか候補があったから最終的に広尾に行ったけど。すごく良かったよ、綺麗だし静かだし」
けっこう近くなのに知らなかった俺も気になって調べたらかなり良さそうな感じだった。
「結構洋書もあってね、料理本もあったけど俺は良くわからないからサクラも一緒に行く?」
サラッと咲良ちゃんも誘う悠哉は不満顔だった二人の目を輝かせることに成功。
やっぱ悠哉だ。リリに対して過保護。しかも咲良ちゃんには超溺愛、いや執着かあれは。
こんなことは朝飯前ってことだろうな。
「ユーヤ。俺、リリ送って明日リリと鎌倉行きたいっておばさんに直接言うわ」
「そうなんだ、じゃあちょうど良かった。サクラは俺が送ってくよ」
何がちょうど良かっただ。
最初からそのつもりで来たくせに。
「え、でも。」
「明日早いだろうし、リリも先に帰った方がいいからレイト頼むよ」
「ん、明日逃すと一週間後は怪しいもんなー」
「だなぁ、良かったなリリ。」
リリに断りの言葉を言わせないよう俺たちは会話をつなげた。
さすがに楽勝の連係プレイ。
そして無事におばさんの了承を得た俺は明日はリリと鎌倉デートだ。
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